国際決済:スムーズな決済を実現するためのデータ標準化の役割

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 現代社会では、電子メールの作成、送信、受信、読取りは第2の天性と言っていいだろう。様々な機器で、外出先で、会議で、仕事で、自宅で、あらゆる場面でそれを行い、効率的に苦労せずに行うことができる。マルコム・グラッドウェル氏に尋ねることができれば、もちろん私たちの多くは確実に1万時間の黄金律を超えているので皆その水準の能力に達しているのだ、と言うだろう。しかしより根本的なものがある、それは情報の標準化だ。

 標準的な電子メールには、From、To、CC、Bcc、件名、本文が存在する。各フィールドには特定の目的があり、受理可能なメッセージを送るための最小限の要件を満たしている。各フィールド内にも適用される規範と標準がある。例えば電子メールのアドレス構造にはユーザーネーム@ドメインが含まれている。この構造はサービスプロバイダーによって変わることはない。

 これは国際決済の構造についてどう考えるべきかを示している。プロセスが効率的で、高速で、定義され、スケーラブルであることを確保したいならば、単純に基本レベルのデータ要件が必要だ。残念ながら国際決済には明確な標準はなく、その欠点はかつてないほど明白になっている。

●(標準の)ない世界

 国際決済ソリューションの分野において、標準のないネットワークは全てが二者間ベースで交渉されるか中央オペレーターに指示される非効率的で冗長なものだ。これが大げさに聞こえるなら、電子メールの例えに立ち返ってほしい。少なくとも明白な不協和音が常に存在する。

 歴史的にいって、国際決済には様々な水準の一貫性を備えた、多くの異なる標準があった。結果として、スムーズで決まりきったものであるべき取引が、互換性のないあるいは不完全なデータ形式のために摩擦と混乱を生み出している。イングランド銀行が「決済・市場インフラに関する委員会、国際決済向上のための構成要素および重点領域」で行ったスピーチによると、決済の60%が何らかの人手の介入を必要としており、この介入に決済処理コスト自体の25~30倍の費用が掛かることがあるという。より根本的なものが決済完了性の実際の定義だ。一貫した標準がなければ、ネットワーク上の各機関はそれぞれの思惑を保ち、複数のパートナー間で契約が複雑になり体験が異なることになる。

 簡単に言えば、国際決済の標準は分断されている。典型的なネットワーク活動であるはずのものを修正するために人手を介する必要が多く、より複雑で、より時間がかかり、極めて非効率で、費用の掛かるものになっている。しかしリップルはその解決策を見つけて実装し、顧客はそれを現在利用している。

●国際的ネットワークを統治するシンプルな規範:リップルネット

 リップルは、メンバーに国際決済の未来の方向性を定義づける力を与えている。メンバーシップ契約に署名したリップルネットの顧客であるメンバーは、規模拡大への道筋を整え、リップルネット上の決済体験を向上させるために、標準の進化を推し進めている。

 決済完了性とデータ標準の実践やデータ要件について、これは解釈よりも明確さ、差別化よりも単一性、推量よりも指針を意味する。リップルネットは一貫性、透明性、平等性に基づいており、国際的な相互運用性への次の一歩に向かって進んでいることを誇りに思う。

●アクセスと平等性

 全ての決済ネットワークには「決済スキーム」がある。これは事実上、各々が規範を管理する独自の定義を持っていることを意味する。このスキームには通常、取引実装指針、運用手順、技術仕様、その他無数の義務が含まれている。一方にはメンバーのいかなる入力も許可しないスキームが多数存在し、もう一方にはネットワークに混乱をもたらす脆弱で一貫性のないデータ標準が存在する。

 しかし、リップルネットはその核心をとらえている。メンバーが等しい所有権を持ち、従うべき単一の規範がある。より重要なのは、この規範を統治しているのがメンバー自身であり、彼らが管理しているということだ。さらに、リップルネットのこの統治・参加モデルは、本質的に組織の種類や場所に依存しないよう設計されている。リップルネットは銀行と決済提供会社を区別せず、メンバーにはネットワークのルールの中で平等な発言権と直接アクセス権がある。

●一貫性と透明性

 最初のステップは、ネットワークの全体でのデータ標準の一貫した解釈を確保することで、ピアツーピア・ネットワークにおける決済完了性の問題に対処することだった。このために最も重要なことは、特に決済を行う義務があるメンバーから別のメンバーに移る際に、決済における当事者の義務に透明性と予測可能性をもたらすことだった。次に、私たちは、以前は2者間ベースで合意されていたことの多者間枠組みを設計した。

 次のステップは、ピアツーピア・ネットワークに存在し得る多種多様なデータ標準に対処することだった。そのカギとなるのは、各メンバーにそれぞれの法域の要件に従って活動する自由を与えつつ、同時にデータを標準化することで、提携プロセスに予測可能性をもたらし、決済の支払元・支払先に関係なく国内ネットワークとの一貫した相互運用性を提供することだった。

秩序だった統治構造とリップルの支援を通じ、メンバーはリップルネットの世界標準を生み出した。これは、データの目的、形式、位置に関する明確な指針を備えた、メンバー間で受け渡す必要がある最小限のデータセットだ。

 この明確なデータ標準化により、リップルネットのネットワークは非効率性、冗長性、全体的な曖昧さを最小化できる。リップルネットの顧客にとって、これは展開を平易にし、運営上の諸経費を削減するものだ。

 これらの標準を支えるのが、着実に世界の国際決済フローの標準になりつつあるISO 20022だ。私たちは20年6月に、リップルがISO 20022標準化団体のRMG(登録管理グループ)のメンバーとなり、DLT(分散型台帳技術)に特化した初のパートナーになったと発表した。参加することで、リップルはリップルネットのエコシステムを超えてメンバーの代弁者になれる。

 世界は新しい世界標準に収束し、未来へ踏み出そうとしている。まだ未開拓の挑戦がいつもそうであるように、先に何が待ち構えているか断言はできないが、国際決済、ネットワークの相互運用性、そしてブロックチェーン技術の応用の新時代の先頭に立つことができ喜ばしく思う。

 私たちと共にこの旅に参加することに興味があれば、詳細はこちらまで。ISO 20022に関する簡潔な資料をチェックし、私たちが国際決済の世界をどのように変えつつあるのか、その詳しい情報を入手してほしい。

(イメージ写真提供:123RF)

https://ripple.com/insights/cross-border-payments-the-role-of-data-standardization-in-achieving-frictionless-payments/

This story originally appeared on Ripple Insights.

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