新たな「規制上の義務の波」がEUの暗号資産関係者を襲う

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 これまでの暗号資産(仮想通貨)規制枠組みの中で最も包括的なものと表現されている、EU(欧州連合)の規制草案がリークされた。暗号資産発行者と関連事業者の双方が、業界の専門家が「規制上の義務の波」と表現する所の事態に直面し、重大な選択を迫られることになるだろう、と漏洩した文書は示している。

 リークされた文書は「暗号資産規制における市場」と題されており、EUがどのような暗号資産規制を望んでいるのかが事細かに記されている。中でも特に焦点が当てられているのは、法定通貨と連動したステーブルコインだ。

 167ページの草案のコピーを入手したのは、デジタル資産規制を専門に扱う企業であるXRegコンサルティングだ。同社はクリプトニュースに送付したコメントの中で、この新規制がEEA(欧州経済領域)域内および世界中で「業界を揺さぶる」だろうと予測していると述べた。

 このコンサルティング会社は、影響を受ける企業が「新たな規制上の義務の波に身構える」すなわち「将来の事業の成功を左右する重要な戦略的決断」を行う必要があるとしている。

 また、この規制草案についてはEUを重点的に扱う報道機関EURACTIVでも報じられている。同メディアは、この文書の最終案が「向こう数週間の間」に提示され、EUが主な法域として初めて暗号資産を規制することになると予測される、と報じている。

 さらに、EURACTIVの報道によれば、ステーブルコイン(文書では「資産参照トークン」ないしは「電子マネートークン」と呼称されている)はEUの規制当局にとって特に懸念される分野であると思われ、他の暗号資産に比べ遥かに厳しい監督が提案されている。

 ステーブルコインは「重要」な分野であると見做されており、欧州銀行監督局の監視下に置かれることになる。これにより欧州銀行監督局は、調査や立入検査を行い、発行者の年間売上高の5%までの罰金を科す権限を持つことになる、とEURACTIVは報じている。

 ただし、法の適用範囲に関して、提案された規則はステーブルコインの発行者よりも遥かに広い範囲の市場参加者に適用される。草案では代わりに、広く定義された「暗号資産サービス事業者」と「暗号資産発行者」と呼ばれるグループに言及している。両者を合わせると、暗号資産を第三者に提供する者すべてが対象となる。

 草案によれば、EU市場を対象として暗号資産を開発する者は必ず白書を作成せねばならず、発行者は事業を開始する前に国とEUの規制当局からこの承認を受ける必要がある。この政策変更は、業界に間違いなく大きな障害をもたらすだろう。

 さらにXRegコンサルティングは、提案された規則は欧州経済領域の暗号資産規制当局すべてが協調するものとなり、「暗号資産活動に対する国家の如何なる法制度および規制体制をも置き換える」ものになるだろうとしている。

 同社は、「欧州経済領域全体でのアプローチとは、ある加盟国から認可を受けた暗号資産サービス事業者には自社のサービスに関するパスポートが与えられ、単一市場にアクセスできるようになる、ということを意味している」とも述べた。

 今まで、暗号資産発行者は概ね、世界的に規制のグレーゾーンで活動してきた。業界大手が新しい規制を遵守するかどうか、そうしなかった場合、EUの規制当局はそれについてどんなことが出来るかは、今の所明らかではない。

 一方、9月に報じたとおり、日本の金融規制当局のトップである金融庁は、暗号資産とステーブルコインを扱う企業および組織はAML(マネーロンダリング対策)とテロ資金対策に関する厳格なコンプライアンス規定に則る必要があると示唆し、「新規則」が20年の後半に導入される可能性もあると仄めかした。

 一方、国際法律事務所のパーキンス・コーイーによる新たな白書は、規制対象の金融機関が匿名トークンをサポートするときAMLの義務を確実に遵守できると主張している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/a-new-wave-of-regulatory-obligations-over-crypto-players-in-7733.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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