米国がデジタル資産規制の道を進むにはどうすればよいのか

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 デジタル資産の世界では変化が起き始めており、その大半は前向きな変化だ。ここ1年のニュースと発展はこの産業が成熟しつつあることを示しており、高度な金融機関、中央銀行、グローバルスタンダード設定機関はいずれも議論に前向きだ。このことはスマートで透明性あるデジタル資産規制が世界中で採用されていく前兆だ。

 本当の疑問は、この重要な変化を主導するのはどの地域かということだ。

●スマートな規制はどのようなものか

 的確な政策枠組みの一例が、英国のFCA(金融行動監視機構)によるデジタル資産への「諮問」だ。

 FCAはまず基本的理念から始めた。つまり、ブロックチェーンとデジタル資産の規制は一方で市場と消費者の完全性を保護するものであり、他方で産業に明瞭性を与えるものであるべきだと。ここからFCAは、市場参加者がどの資産にどの規則が適用されるのか確実に理解できる、非常に明確な分類法と区分を設定した。

 FCAはデジタル資産をその主な用途に従ってユーティリティ・トークン、エクスチェンジ・トークン、セキュリティ・トークンなどにカテゴライズした。ただし、証券規制の対象となるのは企業への出資を表しているセキュリティ・トークンだけだ。英国の枠組みの下では、買い手の一部が純粋に投機的な意図で他のトークンを購入する可能性があるにもかかわらず、これらの証券法はそのようなトークンには適用されない。

 少しだけ90年代のノスタルジアに乗り出すと、このことはビーニーベイビーズをその最盛期に、いずれ価値が上がることを期待して購入することに似ている。だが、これによってビーニーベイビーズが証券になるわけではない。ビーニーベイビーズはビーニーベイビーズのままであり、エクスチェンジ・トークンもエクスチェンジ・トークンのままだ。

 透明性ある規制を設定している地域は英国だけではない。日本、シンガポール、スイス、UAE(アラブ首長国連邦)も同じく実用的な規制枠組みを開発している。しかしながら、著しく遅れを取っているのは米国だ。このことは米企業の競争能力を損なっているだけではなく、経済および安全保障に関わる国家的な懸念を生み出している。

 ●米国はなぜデジタル資産規制で遅れているのか

 米国ではSEC(証券取引委員会)がデジタル資産の監督機能を掌握してきた。当初SECがこの責任を担ったのは、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)熱の最中に見られた不正を止める必要があったからだ。しかし、これらの危険なICOを止めることに成功し、それ自体は産業の成熟に寄与したものの、現在のSECは行き詰まっている。

 実質的に、SECはデジタル資産規制を、オレンジ畑、石油掘削装置、ウイスキー、公衆電話、さらにはビーバーなどといった商品を管理する古い規制枠組みに押し込めてきた。これらの規則は単純にこの新興技術に適用される目的に相応しくない。

 これと対照的なのが、米国が90年代にインターネットと呼ばれる当時の新技術への規制に対してアプローチした方法だ。インターネットを規制するとき、米国は、幸いにして、ダイヤル電話やトランジスタラジオのために設計された規則を適用するのではなく、遥かに柔軟で前向きなアプローチを採用した。

 だからといってSECがデジタル資産規制の構築に取り組んでこなかったというわけではない。最も明らかな事例は、SECが19年にDAF(デジタル資産枠組み)を発表したことだ。しかしながら、この幅広く包括的で強制力のない枠組みは明瞭性に欠いており、実質的に様々な人々が様々な見方で解釈することが出来た。そして、任意の人にとって任意の意味を持つ可能性がある指針というのはそもそも指針ではない。

 ●米国のデジタル資産規制はここからどこへ向かわねばならないか

 インターネットでそうしたように、米国にはデジタル資産規制を先導する機会があり、そこに至るためには様々な道がある。

 議会は賢明な法律を可決するか、少なくともせめて規制当局に説明責任を負わせることによってこれを支援できる。別の代替案としては、SECとCFTC(商品先物取引委員会)が力を合わせ、市場と消費者の完全性を保護しつつ革新を目指している米国企業を窒息させることのない実行可能な枠組みを構築することが挙げられる。

 SEC委員であるヘスター・パース氏によるセーフハーバー提案は、賢明なアプローチが取りうる姿の一例だ。このセーフハーバーは3年間の猶予期間を与えることになるため、誠実なイノベーターは、スタートアップである間複雑で専門的な無数の証券法に押しつぶされることなくこの技術を活用できる。

 ただし、立法上の解決策であれ、パース委員が提案しているようなセーフハーバーであれ、SECとCFTCによる共同での取り組みであれ、はっきりしているのは私たちが米国の解決策を今すぐ必要としているということだ。米国が英国や日本やシンガポールなどに競争上の優位を譲ることになればそれだけでも悪いことだが、米国が中国共産党によるこの技術の支配を許してしまえばそれは大惨事になるだろう。残念ながら、この産業は現在まさにその方向へと進んでいる。

 肝心なこのポイントについては当ディスカッションの次のパートで掘り下げる予定だ。それまでの間、世界各地での現行の政策枠組みを確認してほしい。

(イメージ写真提供:123RF)

https://ripple.com/insights/how-the-us-can-pave-the-way-for-global-digital-asset-regulationand-why-it-should/

This story originally appeared on Ripple Insights.

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