国際決済に破壊的イノベーション理論を適用する

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 「なぜかつて成功していた大企業は、破壊的技術の導入にしばしば失敗するのだろうか?」

 ハーバード・ビジネス・スクールの故クレイトン・クリステンセン教授は、「BSSE(成功事業の構築と維持)」と題された著名なコースで行った最初の授業で、経営学修士の生徒たちにまさにこの問いを投げかけた。

 概要をまとめると、破壊的技術は、当初市場にあって満たされていないニーズに対応した新たな価値提案を可能にするが、最終的には継続的な改良によってメインストリーム市場を追い越す。多くの場合、破壊的技術は当初その新しい特性が顧客から大きな価値を認められる、より小規模でニッチな市場に導入される。たとえその技術がメインストリーム市場が必要とする一部の特性を当初満たしていなくとも。

 しかしながら、急速な改良により、破壊的技術は次第にメインストリームのユースケースを捉え始めるようになり、さらには製品やサービスをより多くのユーザーがアクセスできるものにすることで、新しい需要を創造することすらある。破壊的技術の主な例にはパソコンと電気自動車が挙げられる。

 典型的な場合、大規模な既存企業は破壊的技術が十分に成熟しておらず、それが対応するニッチ市場は収益性の高いメインストリーム市場と比べて重要性に劣ることを認識し、その初期の台頭を無視する。動きの遅いレガシー企業は、破壊的技術がメインストリーム市場の要求する重要な特性を満たした後で初めて新技術の導入を始める。このときには、ニッチなローエンド市場をメインストリーム市場に押し上げようと躍起になっているアーリーアダプターが既に市場に侵入している。

 この理論は国際決済分野で現在起こっていることを驚くほど見事に説明できる。マネーの動きを変えつつある破壊的ネットワーク技術であるリップルネットは、クリステンセン教授がその理論で予測した通りに、この産業のダイナミクスを文字通り揺るがしている。

 数年前リップルネットが初めて登場したとき、大手銀行からはネットワークがSWIFT(国際銀行間通信協会)の1万を超える金融機関ほど大規模ではないという典型的な反発を受け、導入への関心は当初低かった。一方で、規模よりもリップルネットの速度と低コストと透明性に価値が認められたために、決済事業者や地方銀行による導入は急速に増加した。より最近の例では、デジタル資産のXRP<XRP>を活用して事前資金調達の必要性をなくすリップルネットのODL(オンデマンド流動性)サービスの導入により、金融機関は急速に改良される技術のさらなる恩恵をこうむっている。

 リップルネットは完全なゲームチェンジャーとなった。企業決済によって遥かに大きな収益を上げているグローバルな大手銀行は送金市場をしばしば無視しており、リップルネットを当初導入したのはその送金市場だったが、リップルネットは中小企業決済を含むさらに幅広いユースケースに対応するために導入されつつあり、対応可能な市場をさらに拡大していく軌道に乗っている。リップルネットのアーリーアダプターは、送金回廊の拡大とユースケースの追加によって自分たちのビジネスを成長させていくという恩恵を享受している。この現象は破壊的イノベーションの理論に従うものだ。

 では、破壊的技術を前にしたとき、既存の金融機関はそれに取り残されないために何が出来るのだろうか?

 クリステンセン教授は既存企業が破壊的技術を導入する手法として、いくつかのことを推奨していた。第一に、破壊的技術が提供する新たな価値提案について経営者が理解することが重要だ。破壊的技術は異なる顧客ニーズに対応しているため、既存技術と同じ指標によって両者を比較することはしばしば意味をなさない。

 第二に、新技術が最初に根付く当初のニッチ市場が自分たちの大きなビジネスにとって十分ではないからといって、経営陣は新たに生まれた破壊的技術に対して拙速な判断を下すべきではない。歴史が示しているように、新しい破壊的技術は市場を押し上げるために継続的な改良を行い、私たちが考える以上の速さで対応可能な市場を拡大していく。アーリーアダプターは新技術とともに経験を積むことが出来るため、拡大した市場で成功を収めるチャンスが大きくなる。

 第三に、全く新しい価値のネットワークが破壊的技術を動かしていることを考えると、既存企業はその技術と新しい顧客ターゲットを中心に据えて最適化された別個の組織を作ることを考えても良いかもしれない。新組織は、既存のビジネスユニットが持ち込むかもしれないあらゆる歪みやノイズから保護される。

 国際決済産業は現在重要な変曲点に差し掛かっている。今日リップルネットのODLサービスを活用している既存の金融機関は、明日のグローバル決済産業の土台を作っている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://ripple.com/insights/applying-the-disruptive-innovation-theory-to-cross-border-payments/

This story originally appeared on Ripple Insights.

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