【GW特集】コロナ禍でビットコインは年始の水準を回復、コロナ収束は上値圧迫要因

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●ビットコイン、日経平均、NYダウ、独DAXを指数化
 中国武漢で初めて確認された新型コロナウイルス「COVID-19」の世界的なまん延により、金融市場は不安定な動きが続いている。ビットコインも例外ではなく、リスクオフの波に押されて調整し、「デジタル・ゴールド」としての価値に疑問の声があがった。果たしてビットコインは資産の逃避先として機能していないのか。モーニングスターでは、ビットコイン、日経平均株価、ダウ工業株30種平均、独DAX、ドル・円について、日本の大発会である1月6日を100として指数化し、新型コロナウイルスの感染拡大とともにどのような動きをみせているか比較してみた。

●1月は「デジタル・ゴールド」としての機能果たす
 1月は中国が感染拡大の中心だったが、中国の春節到来による人の大移動で感染が各国へ広がるとの警戒感から、日経平均、ダウ、DAXともに上値の重い展開となった。各指数は1月から2月上旬までほぼ横ばいで推移している。このような中で、ビットコインは2月14日に1月6日の水準から33%高を付けるなど堅調に推移しており、この時期のビットコインは「デジタル・ゴールド」としての機能を果たしていたといえそうだ。

 この動きに陰りが見え始めたのは2月。イタリア、韓国、イランといった中国以外での国で多くの感染者が確認されはじめ、パンデミック(世界的流行)への警戒感からリスクオフの動きが加速。2月最後の週明け24日(日本は連休明け25日)に日経平均、NYダウ、DAXがそろって100を割り込み、年初来でマイナスとなった。ビットコインはそれまで堅調だった反動もあって下落率は大きかったが、この時点では100を大きく上回っていた。ただ、この時点で25日移動平均線と75日線を下回っている。

 3月になると、OPEC(石油輸出国機構)プラス会合で減産合意に至らなかったことで投資家心理が悪化。現金化の動きが加速し、ビットコインは7日から8日にかけて200日線を明確に割り込んでいる。さらに、米国が欧州からの渡航を禁止すると表明した3月12日に、ビットコイン指数はついに100を割り込んだ。前日にはWHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言している。当然、各国の株価指数も急落したが、ビットコイン指数は急速に調整色を強め、63.98まで急低下。この時点でもっとも下げていたDAX指数の69.79を下回った。

●急落から一転、金融機関の在宅勤務の影響など小さく
 ここからビットコインは急速に戻りを速める。この時期は安全資産とされる「円」に対してドルが急上昇するなどドル需要が高まっていたころでもあり、資産の逃避先の代表格でもある「金」も弱含んでいた。各国の中銀がドル資金の供給策を示すとドル買いの勢いは落ち着き、「金」の次第に上昇。と同時に、ビットコインも不安定さを残しながらも持ち直しの動きをみせた。振り返ってみれば、各国の株価指数よりも年始からのパフォーマンスが落ち込んだのは、3月12日からほんの1週間程度。3月31日には25日線を約1カ月ぶりに回復し、4月はそのままジリ高で推移。日米独の株価指数が年初の水準を下回って推移するなか、ビットコインは26日に75日線を突破し、翌27日は1月6日の水準を回復。29日には200日線も上抜くなど、足元では急速に戻りを試している。

 これまでの動きを総じて見てみれば、ビットコインは各国の株価指数よりも高いパフォーマンスをみせている。株式市場では、金融機関の在宅勤務の増加などが影響して取引が減少しているが、もともとビットコインの取引は金融機関を通さないため、影響が小さいようだ。

●リスクマネー流入よりも半減期を意識か
 一方、ビットコインは5月11日に控える半減期も意識されている。半減期はマイニング報酬が減額される時期を指す。これは実際の「金」の採掘が難しくなることを表現したものという。半減期を迎えるとビットコインの希少性が高まるとの期待が高まり、これまでも材料の見当たらないなかでの上昇には多くの場面で半減期が理由とされてきた。前回の半減期は16年7月だが、当時は3月から6月にかけてビットコインは急伸している。ただ、半減期を迎える前に一服し、半減期を迎えた後の8月に調整した。今回もこれに当てはめれば、半減期を前に一服し、過ぎたころに下げ足を速める恐れがある。

 また、ビットコイン価格は各移動平均線を回復したが、75日線と200日線は下向きであり、むしろ4月には両線がデッドクロスを形成済み。トレンドが変わったどころか、チャート的には長期の下降トレンド入りとも言え、このまま上値を追えるかは不透明だ。ビットコインは好材料にも悪材料にも反応しやすい。足元の動きのように、新型コロナなど直接的な関連性の乏しい材料に対しても株価より大きく動く。

 一部では仮想通貨以外の資産の信頼が失われたことで相対的にビットコインが上昇しているに過ぎないとの見方もあり、新型コロナが収束に向かうにつれて株価や商品、為替から過剰に離れたリスクマネーが戻ると考えられる。半減期の通過や新型コロナの収束期待は、今後のビットコインの上値圧迫要因になる可能性がある。

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