国際取引は分断された地域を繋ぐ鍵

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 シンガポールのフィンテック業界にとってこの1年は進歩的な年だった。シンガポール・フィンテック・フェスティバルには有力なプレーヤーが複数参加した。また、19年11月上旬にはリップルが第3回スウェル年次会議をアジアで初めて開催した。我々はそこで、金融サービス、決済、テクノロジー、政策分野における世界で最も信用される人物らによる、洞察に富んだ講演を聞く機会を得た。

 我々は、1つの疑問と共にスウェルを後にした。人類は人を月に立たせることができた。我々は宇宙から動画を配信し、ペストの蔓延を防ぐことができる。しかし我々はまだ、国境を越えて即時に送金したり、日曜に銀行で電信送金を行うことができない。それはなぜなのか?

●ゲームの方法を変える

 シンガポールでは19年、フィンテック投資が10億ドルを記録した。一方で、アクセンチュアは19年に行われた企業による送金の総額が22.23兆ドルに達すると見積もっている。シンガポールと他の東南アジア諸国は、フィンテックによるイノベーションの中心地になっている。この地域の注目すべき新興企業には、グラブペイ、ゴーペイ、ペイティーエムといったキャッシュレス決済及びモバイルウォレット企業が含まれる。これらは、ウエスタンユニオンやアップルペイといった既存のグローバル企業と競合している。

 新しい生まれつきのデジタル世代が仕事の世界に加わり、この地域の消費を活性化する中で、企業は顧客体験の見直しに力を入れている。決済分野では、キャッシュレス化がユーザーにさらなる利便性と速度を提供している。実際、インドネシア、タイ、ベトナムといった国々ではモバイルウォレットを通じた決済がクレジットカードを上回っている。

 しかし、モバイル決済におけるあらゆる進歩の中で、国際決済の問題を解決するための試みはほとんどなされていない。国際取引は、決済に数日かかり取引費用が高額な時代遅れの古いシステムに支えられている。世界銀行は、平均送金費用は送金額の7%を超えると見積もっている。従来の送金では、送金者から受取人に資金を渡すために様々な口座で入金と出金を繰り返す必要がある。

 国際決済の現在のインフラは、現代の人々のニーズを満たすことができない。小切手の精算に5日間では家賃を工面しようとする家族や子供を学校に通わせようとする母親には長すぎる。日常生活が中断されないために、決済は瞬時に行われるべきだ。

●現場の状況

 購買力が成長している経済から利益を得ようとして、東南アジアには企業の転入以外にも大量のベンチャー資本が流入している。そのためこの地域は新興企業の戦場として注目を集めている。国際貿易の拡大を促進するために統一されたASEAN(東南アジア諸国連合)経済という目標に向けてこの地域が動く中、地域に足場を築き事業の成長を推進するために、効率的な国際決済ソリューションを構築することが重要となっている。

 しかし、現在の国際決済は分断されている。必要に応じた接続を確立するために、企業は複数の異なる金融機関、ネットワーク、決済サービス事業者と提携する必要があるからだ。これらの接続は扱いにくく費用がかさみ、標準化されていない。香港に本社を置く企業を例に挙げてみよう。この企業は国家間の送金のためにシンガポールの銀行と提携しているが、その後マレーシアに資金を移動する必要があり現地の別の機関と提携する。そして東南アジアの全ての国々で同じことを行う。

 16年にはマッキンゼーのレポートで、米国の標準的な銀行は国際決済の処理に25-35ドルを要すると見積もられた。これは標準的な国内決済の約10倍の額だ。同様に、エコノミストは送金の費用は送金額の約7%だと見積もった。

●長年の問題に対する現代的な解決策

 年末が迫り、ホリデーシーズンが近づく時、海外の外国人労働者はどのように母国へ送金するのか? 恐らくは旧来の銀行送金を使い、その過程でかなりの費用を負担するだろう。

 我々はそれを変えたいと考えている。

 我々はスウェルで、300社を超える顧客が世界中への送金に我々のソリューションを利用していると発表した。うち半数はAPAC(アジア太平洋)地域の企業だ。サイアム商業銀行、SBIレミット、ニュームといったプレーヤーを活かし、我々はBC(ブロックチェーン)を用いて国際決済の摩擦を本当に無くすことができると確信している。

 BC技術とデジタル資産は金融業界全体を変える潜在力を秘めている。BCを用いたこれらの決済ネットワークは、技術仕様とスタンダードの基準を持ち、混乱を減らしネットワークの全メンバーが同じ技術を利用可能にすることで、国際決済を容易なものにできる。

 BC、この場合はXRPレジャーを使用することで、ODL(オンデマンドの流動性)によってわずかな費用で数秒で取引が清算可能となり、送金者と処理に関わる仲介者の費用が削減される。決済はほぼ即時に出発地から受取人に送付でき、受取人は送金された元金の大部分を手にする。

 送金アプリのセンドフレンドは送金にリップルネットのODLサービスを利用している。デービッド・ライトンCEO(最高経営責任者)は、BCは国際送金のための運転資金の必要性を取り除く役に立つと述べた。これにより、流動性はオンデマンドで調達され、取引費用は最大75%削減される。

 同様に、サンタンデール銀行でイノベーション担当の責任者を務めるエド・メッツガー氏は、リップルネットを用いた送金アプリのワン・ペイFXを通じ、わずか4、5回のクリックで送金が実行され完了することを確認した。これは処理に通常数日かかり手数料が高い従来の送金方法と対照的だ。

 データはほんの数秒で世界中を駆け巡るが、我々の資金にも同じことができるはずだ。BC技術などの新興技術は、インフラを強化してこうした送金を実現できる。そしてフィンテックによるイノベーションの中心地として、東南アジアの企業と消費者は特に国際決済においてフィンテックがもたらす利益を享受する準備を整えている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://ripple.com/insights/cross-border-transactions-are-the-key-to-connecting-a-fragmented-region/

This story originally appeared on Ripple Insights.

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