BIS総支配人、中央銀行のデジタル通貨発行に「価値ない」

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 BIS(国際決済銀行)の総支配人が、CBDC(中央銀行デジタル通貨)を検討する際には注意が必要だ、と改めて警告した。

 アグスティン・カルステンス氏は22日にアイルランド中央銀行で行ったスピーチで、CBDCの発行は金融安定性と通貨制度に根本的な変化をもたらし得るため、中央銀行は現在CBDCの発行について未知の領域に足を踏み入れるだけの「価値を見出していない」と述べた。

 同氏の説明によると、現行の通貨制度は顧客向けの銀行システムと中央銀行の2層からなっており、両者が連携しているという。しかしCBDCによって預金業務と貸付業務が商業銀行から中央銀行に移行し、1階層のシステムが生み出される。

 カルステンス氏は続けて次のように述べた。

 「中央銀行があらゆることを行う1階層システムの歴史的な例がある。ベルリンの壁崩壊前の社会主義経済では、中央銀行は商業銀行でもあった。しかし顧客により良いサービスを提供するものとしてこのシステムを維持できるとは考えられない」

 BIS総支配人のカルステンス氏は続けて、金融ストレス時にはリスクが高いと考えられる銀行からより安全だと思われる銀行に資金が移動する傾向があると述べた。従って、法定通貨よりもCBDCにプレミアがつく、例えば「商業銀行の預金1ユーロで1ユーロ未満分のCBDCしか買えない、という話は「荒唐無稽」ではないという。

 CBDCは金融政策の環境にも影響を与え、「ベースマネーの需要やその構成に予想不可能な形で変化をもたらす」だろうと同氏は述べた。

 さらに、多くの国々ではまだ現金の需要が高いので、CBDCという形で現金の代替物を備えることは「急務ではなく」、この技術はまだ「広範な試験はされていない」とカルステンス氏は述べた。

 こうした不確かさのため、中央銀行はCBDC分野に「慎重に取り組む」ことを望んでいる。「大手術に取り掛かる前に、我々が行おうとしていることがもたらす全ての結果を理解する必要がある」とカルステンス氏は警告した。

 同氏は次のように述べた。

 「これまでのところ、新技術が既存の技術より優れているとは実証されていない。社会にはCBDCへの明確な需要が存在しない。金融政策の実行について中央銀行に大きな運用上の影響をもたらし、金融システムの安定にも影響を与える」

 カルステンス氏は18年7月、仮想通貨は悪い結末を迎えると予言し、仮想通貨は「バブル、ポンジスキーム、環境災害」を体現していると述べた。同氏は18年2月に仮想通貨が金融システムの「寄生虫」になり得ると警告していた。同氏はまた、仮想通貨は「金銭として持続可能ではなく」、通貨の「基本的な教科書的定義」を満たしていないと主張していた。

 BISに属するバーゼル銀行監督委員会も3月、仮想通貨の成長は銀行と国際金融安定に複数のリスクをもたらすと警告している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coindesk.com/central-banks-see-no-value-in-issuing-digital-currency-bis-chief

This story originally appeared on CoinDesk, the global leader in blockchain technology news and publisher of the Bitcoin Price Index.

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