イラン仮想通貨交換所に突然の検閲

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「5月からイランの仮想通貨交換所はすべて検閲されている」

これは、8月と11月の米国による制裁の更新を前に、イラン人の仮想通貨経済への繋がりを断とうとするイラン政府による新たな検閲の動きを、イラン人のビットコイン支持者が匿名で表現した言葉だ。

VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)やインターネットに関係する制裁のためにすでに普及しているその他の回避方法を用いても、バイナンス、ブロックチェーン、ローカルビットコインなどの仮想通貨交換所にアクセスするのが難しくなっていると数名のイラン人がコインデスクに語った。

これはBC(ブロックチェーン)の検閲に対する抵抗に関しての複雑な状況をよく表している。経済的なライフラインを必要としている国民を多く抱える国が、人々に力をもたらすサービスから隔離されているのだ。

「多くの人がビットコインをヘッジ手段として利用しています。なぜなら、ビットコインを購入するのは闇市場で米ドルを購入するより簡単だからです」とテヘランのスタートアップ界全体に深い繋がりを持つ、仮想通貨のベテランであるイラン人情報提供者は述べた。

投機的という話題に関して、そのイラン人は、イラン貨幣が7月2日に年127パーセントのインフレ率に達したことについて言及した(激しいインフレと政情不安を考慮すれば、ビットコインの不安定さは些細なものであると考えているイラン人もいる)。

「ローハーニー大統領はイラン人が国外で外国通貨、特に米ドルを移動することを嫌っています」とワシントンD.C.に拠点を置く、超党派的な政治分析を提供するシンクタンクである中東研究所のイラン・オブザーブド・プロジェクトのトップであるマジディヤル氏は述べる。

マジディヤル氏はコインデスクに以下のように語った。

「外交がつまずけば、より多くの制限が生じる。そうなれば確実に仮想通貨も影響を受けるだろう」

 ほとんどの専門家は国際関係に由来する現在の経済危機が、イラン政府が仮想通貨に対してより強力な統制を求めることを促したと考えている。(コインデスクによる200人のイラン国内の仮想通貨利用者に対する調査は、ほとんどの人が国境を超える支払いに仮想通貨を利用していることを明らかにした)

 最近の政治的状況を前に、仮想通貨への検閲は長い時間予想されていたものでもある。

 17年12月には、イランの対資金洗浄当局は金融機関がビットコインなどの仮想通貨を扱うことを禁止した。この政策はイランの中央銀行は分散的な貨幣の利用を「促進するいかなる行動」も取ってはならないと定めた。

 そして5月には、イランのファイナンス・トリビュートの報道によれば、イラン議会の経済委員長のプーレブラヒミ氏が、もし国際市場を通して何十億も使用し続けるのであれば仮想通貨トレーダーはイラン経済に悪影響をもたらし得ると警告した。

 ●検閲の兆候

 現在、より厳しい検閲が進行中であることがイラン人情報提供者からの直接証言からうかがえる。(今のところ、ローハーニー政権から仮想通貨利用者を非難する正式な声明は出ていない)

 しかし、2人目の匿名イラン人情報提供者によれば、政府は「ディープパケット・インスペクション」というプロセスを通じてネットワークトラフィックを検査している。「ディープパケット・インスペクション」は過去にイラン政府が使用した方法で、今回は仮想通貨プラットフォームへのVPNによるアクセスを制限するために使用されている。

 その情報提供者は今週にはローカルビットコインが使用不能になり、仮想通貨採掘機器の輸入も禁止されたと語った。仮想通貨サービス提供者がイラン人の使用を制限していないと述べている事実によって、イラン政府がこの動きの背後にいるであろうという主張の信憑性は高まる。

 テクノロジーについてブログを書いているあるイラン人によれば、バイナンスは一部ユーザーに対して、地域のサービスを制限する予定はまったくないと伝えたという。

 バイナンスの広報担当者はコインデスクに対して、国際的な制裁、地域での制限も含めて、バイナンスを合法的に利用する「責任は利用者にある」と述べた。彼女はイランについて具体的に言及することは避けた。

 この2人目の匿名情報提供者は、直接取引を行っている人はまだいるが、仮想通貨をイラン・リヤルで売買することは禁止されていると述べた。

 彼は仮想通貨利用者の間での雰囲気について「不確実性が広がっている」と述べた。

 ●仮想通貨ナショナリズム

 全体的に見ると、これらの行為はBC(ブロックチェーン)ブームの直前と思われていた国にとって、明らかな方向転換とも言える。(17年のコインデスクによる調査では多くの人は、政府が仮想通貨を積極的に推進するであろうと考えていた)

 18年の2月ですら、BCスタートアップ企業は規制当局と協力して仮想通貨のための規制の枠組みを考えていた。

 さらに、同じく2月に、イランの情報通信技術担当大臣のジャロミ氏は、国家的な仮想通貨のための計画を発表していた。マジディヤル氏はローハーニー大統領はまだこの「独立した金融システム」のためのハイテクノロジー計画を進めていると語っている。

 それでも、他の人々はローハーニー大統領、ジャロミ氏、その他の穏健派イラン人は、海外の伝統的な組織で人気の「ビットコインではなくBC」という感情を反映しているかもしれないと考えている。

 「もちろんBCも同様に制裁の対象だろう」とマジディヤル氏は述べる。「しかし、それよりも彼らは価格をコントロールしたいのだ」

 ほとんどの海外の銀行はすでにイラン人を避けているために、外交がつまずけば分散的な仮想通貨への検閲は悪化するであろうとマジディヤル氏は考えている。

 しかし、ビットコインの熱烈な支持者たちは不安な気持ちを報告しているが、絶望的にはなっていない。知り合い同士で仮想通貨取引を続けている人もいる。

 上述の1人目の匿名情報提供者はコインデスクに以下のように語った。

 「彼らは何があっても必ず手段を見つける。」

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coindesk.com/iran-crypto-exchanges/

This story originally appeared on CoinDesk, the global leader in blockchain technology news and publisher of the Bitcoin Price Index.

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