ホードルホードル、ビットコインのスマートコントラクトをビジネスに活用

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 ビットコインは最も歴史がある仮想通貨と言われているがその進化はまだ終わっていない。

 新興の仮想通貨、例えばイーサリアムなどは日々追うごとに進化をしている。さらに複雑で魅力的な機能をもっており、その影響でビットコインの話題性は薄れている。イーサリアムもビットコインもピア・ツー・ピアを使うプラットホームを推奨している。ビットコインの長期投資家は一同にビットコインには潜在的な可能性があると言う。
新興のスタートアップが、それらの独自のブロックチェーンを作っている事とは違い、「ホードルホードル」(仮想通貨交換のピア・ツー・ピア取引プラットフォーム)はそのような複雑な取引をビットコインのブロックチェーン上で行っている。ビットコインは仮想通貨の価値を保存しておくためだけの通貨ではないと、ビットコインの長期投資家は考えている。

 この仮想通貨交換プラットホームは3月に登場した。その後の1週間の間に30か国を超える国々から5300人が登録を行った。すべての取引はビットコインかライトコインのブロックチェーン上で行われる。またこの取引はマルチシグ・スマートコントラクト(複数の秘密鍵を利用する認証方法)として知られる。

 ホードルホードルは、ビットコインのデポジットを使うような事はないし、従来の法廷通貨の支払いシステムにも興味がない。それよりも新規のユーザーをインタフェース上でビットコインのスマートコントラクトに適用させる手助けをしている。

 これらのスマートコントラクトはマルチシグ・ウォレットを使っている。秘密鍵の1つは交換所が持ち、もう1つは売り手側が持つ。この売り手側の秘密鍵は取引の最初と最後にブラウザーを通して発行されるのだが、会社のサーバーやデータベースには特別な仕組みにより情報が残らない。

ホードルホードルのCTOであるローマン・スニィトコ氏は言う。

 「もし仮に交換所がハッキングされることがあっても、ハッカーは一つ目の秘密鍵だけは取得できるが、もう一つの鍵は他方のユーザーが持っているので、資産の移動は起こらない事になる」

 このような仕組みでは同じチームであっても違うプラットフォームを使う事になる、これを我々はハウス・ホードルと呼んでいる。またこのシステムは7月に公開される銀行や弁護士が第三者の仲介機関として一時的にお金を預けるために使うエスクローのような機能のマルチシング・コントラクトを備えている。

 「銀行を通じて取引をした場合には、出所がはっきりしているような資金でも時間も費用もそれなりにかかるが、このシステムならかなりの節約になる」と、スニィトコ氏はコインデスクに語った。

このシステムはスニィトコ氏がマックス・ケイドゥン氏と共同でビットコインのブロックチェーンを使う事にした最大の理由であると強調する。もし、新たなにスタートアップとしてプラットフォームを作れば銀行間の取引などにはコンプライアンス上の大きな責任が発生する。しかし従来の機能を使えばその心配はなくなる。例えれば、コインベースが抱えている議論のようなものだ。

 ホードルホードルのプライベート鍵はそれ一つだけではほとんど使えないと言ってもいい。表面上はユーザーの心配を払拭しているようにみえるが、仮想通貨の長い歴史ではたびたび盗難事件が起きている。一般的な仮想通貨の交換所では取引の認証システムのプロセスがそれぞれの国や地域の司法の取り決めによってかなり異なる。これはつまり、一般の使用者にとっては責任と拘束のない状態を作っているという事になる。コインベースとは違い、ホードルホードルはユーザー個人にそれぞれの鍵を与えている。

 「つまり1つのパーティが資金を動かすような事は出来ないという事だ」とスニィトコ氏は言う。「そうなれば当然、取引などでの安全面は向上する。しかし、これは法を取り締まる側の考え方とすれば我々が資金を動かす者ではないという事になる。」

 非中央集権化の安全面の特色であるこのシステムのコンプライアンスの結合を目的として、ホードルホードルは努力を惜しまない。さらにビットコインそれ自体がピア・ツー・ピアのビジネスの取引に有利に使える可能性もある。このチームのあたらしいプラットフォームであるハウスホードルはビジネスだけではなく不動産取引などでも使える新しいシステムにしていきたいと考えている。

 「なぜならそれは他の取引よりも安全だからだ」とスニィトコ氏は言う。「ビットコインを選んだ理由は、単純に安全だからと言うわけではなく、非中央集権化されたブロックチェーンの新しい可能性を試している」という。

●ビットコインの安全性が際立つ

 まず第一に、ホードルホードルの興味はビットコインの安全性ある。

 創業者によれば、マルチシグ・エスクローシステムは取引自体が透明であるため、仲介業者が不適切に資金を凍結させたりする事が非常に困難となっている。つまり誰か一人が管理を行っているわけではなく、取引者の全てがそれを行っているためだ。

 このようなマルチシグの記録は何世紀も昔からある。第3の機関が一時的にお金を預かる機能であり、さらにその技術は改良されてきた。

 このスマートコントラクトは、ホードルホードルが手掛けて不動産取引にも使るようにしたいと考えている。例えば、アパートメントの所有者がアパートメントを売ってそのお金でビットコインを買うような事だ。我々が知っている一般的な取引なら不動産の仲介会社から銀行や土地所有者を含めて取引が行われ、何カ月間もかかる。当然、その中には利権なども絡んでくる。

スニィトコ氏は言う。

「でも、もしビットコインで不動産を売り買いできたら、そのような面倒ごとは避けられる。そこで我々はこのシステムの潜在的な利用価値に理解するにいたっている」

 ホードルホードルは現在、開発中のシステムには従来の取引よりさらにエスクローの透明性が高い機能が利用できるという。そのため従来では第3者の仲介により手数料がかかっていたが、この費用を節約できるようになるという。また取引の透明性の向上は違法な事件を防ぐために非常に重要だ。

 例えば、ニューヨーク・ジャーナルによると、あるクライントの資金が大量にその弁護士自身の口座に送金される事件があった。これは弁護士自身が偽物の書類を銀行に送り、クライアントの資金を違法に送金したものだった。そもそもそのような詐欺事件自体があまり起こらないとしても、その事件を教訓としてそのような事件が2度と起こらないようにシステムを改良していく必要がある。

「不動産取引はビットコインでの支払いが最も適していると考えている。何故なら家を買うためにはかなりの数のビットコインを送金する必要がある。そのため多少の手数料が必要でも利用者の理解を得られるはずだ」とスニィトコ氏はいう。

●チェーンを使う利点

 純粋なピア・ツー・ピアのモデルとは違い、ハウスホードルの契約は第三者の暗号システムを使う事になる。その暗号システムはその取引とは全く関係のない弁護士などに管理されることになり、さらに大量の書類とIDなどが必要になる。そのような資金の移動は全ての人が協力した時にだけ移動が起こる。結果的に特定の弁護士に全ての権限が集まるような状況にはなりにくい。つまりニューヨークで起きた事件のようなものは避けられるという事だ。ただ、このような事件はビットコイン全体のシステムで考えればまだ起こる可能性はあるため、交換所でのテストを行っていく必要がある。

 「ハウスホードルのプラットフォームを使えば遠く離れていても書類にサインする事ができる」、とケイドゥン氏はコインデスクに語る。

 すでにいくつかの米不動産取引の会社がハウスホードルへの興味を示している。ただし、米国ではこのようなシステムへの規制がどのようになるのか不明瞭のため、中東のドバイでこのシステムを始めてみようと考えているという。その後に欧州や北米に進出する方針だ。

 そうした間にも、新たなトレードオプションがケイドゥン氏のスタートアップにピア・ツー・ピアのプラットフォームモデルを超える競争力を与える可能性がある。
 
 多くのピア・ツー・ピアのプラットフォームが様々なオファーをすべての利用者に告知している。カルガリスト(全米で有名なオークションサイト)が品物によってカテゴリーを区別するように。ホードルホードルは個人にオファーを出せる。売り手から買い手にオファーを出したい場合には直接リンクを送り、買い手が承諾すれば取引が成立する。この仕組みはホードルホードルの強みだ。このシステムなら個人情報などの透明性を犠牲にする事もない、何故ならこの取引はチェーン上で行われるためだ。つまり個人間の取引情報を知らない人間が違法に取得する事は出来ない。

 さらに、ホードルプラットホームはユーザーがキャッシュを引き出すことを要求していない。ピア・ツー・ピア交換所のローカルビットコインズとの違いだ。しかし、それよりもエスクローのを行う場所がブロックチェーン上に存在するという事がポイントとなる。

「それがローカルビットコインズとの大きな違いだ。ローカルビットコインズでは、このシステムを使う場合には資金は必ずローカルビットコインズにないといけない」とスニィトコ氏はコインデスクに語る。

 もうじき夏時間となるが、ハウスホードルは色々な場所の不動産取引が仮想通貨を通して可能になる。

「つまり、わざわざ法定通貨に換金して不動産を買う必要がないということだ」とスニィトコ氏は言う。コンプライアンスの問題が指摘されているようだが、同氏は、「これは本当に重要なチャレンジだ。私の考えでは100%合法だと考えている」とした。

(イメージ写真提供:123RF)


https://www.coindesk.com/hodl-hodl-building-real-business-bitcoin-smart-contracts/

This story originally appeared on CoinDesk, the global leader in blockchain technology news and publisher of the Bitcoin Price Index.

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