ユーザー主導、仮想通貨モネロに新時代

82884687_m.jpg

 仮想通貨モネロが再び非中央集権化に向けて走り出した。

 モネロが仮想通貨として始まった2014年から、リカード・スパグニ氏は非公式で南アフリカのプロジェクトのチーフに、同僚との競争もなく任命された。仮想通貨モネロはその高い匿名性に特徴があり、それに魅了された使用者に人気がある。今、スパグニ氏と彼の注目のビジネスベンチャー(3つの仮想通貨のスタートアップ)にスポットが当たっている。

 しかし、スパグニ氏は明確に他の仮想通貨の開発者とは異なる。仮想通貨のイーサリアムの開発者で有名なヴィタリック・ブテリン氏やZCASHのCEOのズーコ・ウィルコックス氏は開発に関わっているが、彼自身はモネロの開発に影響を与えてないし、将来影響を与える可能性もほとんどないと言っている。

 「私はすべてのプロジェクトの総責任者だが、細かい開発部分に影響を与える事もできないし、そのような能力もないと17年の時点で理解している」

 スパグニ氏がコインデスクに語った詳細によると、彼は少しずつこの重要な職務から身を引くつもりだという。モネロの使用者でユーザーネームが「Luigi1111」が今ではモネロのウェブサイトを管理している他、ボランティア達が交代で、週一回行われるIRCチャットのホストを務めている。

 「私はつねにモネロには高い匿名性が必要であるという主張者であるが、わたしの本当の責務の定義(仕事量)を削減する必要がある」と、徐々に職務から退く予定だとスパグニ氏は続ける。

 このスパグニ氏の意思と行動はモネロの共同体をビジネス面からみて有益にする改革で、これに適用させようとするサイファーパンク(暗号技術の利用を推進する活動家)の非中央集権化の精神に基づくものである。オープンソース・コミュニティのベテランであるフィリックス・ホニグワッチ氏は18年の5月にスパグニ氏のスタートアップの一つであるゴルビーのCEOになった。さらに他のスタートアップである、マイモネロのCEOにはポール・シャピロ氏が任命された。

 シャピロ氏の狙いは、モネロで行われているような投機目的の仮想通貨でなく、商業用目的で使われるような仮想通貨を目指す事。「このアイディアは収益性として安定している」とシャピロ氏は語る。

 また、他方ではスパグニ氏は、オープンソースの実験室でモデルになった、ニューヨークにあるチェーインコードラボを7個目のスタートアップ「タリ・ラボズ」として始めている。この実験室では仮想通貨の開発者が無料のシステムを使って人材を育成している。さらにこの会社はモネロをベースとした協定の開発に力を注いでいる。モネロを使用した場合にコンサートチケットが買えたり、シッピング時にポイントがたまったりするような事だ。

 スパグニ氏が中心となりこのような事業が進む中、共同開発者である、ダンテリー氏とナービンジェイン氏はビジネス開発の任務を負っている。

 「もしすべてが計画の通りに行けば、私の影響力をモネロの共同体の中で小さくすることができる。そして、それと同時にモネロの価値を上げる事ができるし、他の資産との交換手段としての利便性が増える。色々な人がこの通貨を色々な用途で使ってくれれば健全な通貨として広まっていく」、とスパグニ氏は話す。
シャピロ氏の考える最も重要な事は、モネロが世界経済でなくてはならないような仮想通貨になる事だという。

●タリ・ラボズは仮想通貨の稲妻に遭遇する
 スパグニ氏が南アフリカのヨハネスブルグに滞在している間、20人程度の現地の開発者と調査員をタリ・ラボズ雇う予定で、その精鋭で「ライトニングシステム」の開発を行うという。この「ライトニングシステム」は仮想通貨の取引を高速に、しかもコストを安く行う事ができるシステムと言う。

 このチームはライトニングルーターを開発し幅広いブロックチェーンベースの資産、例えばビデオゲームのカスタムスギアのような物にも適用できるようにする事を目指している。

 「我々の新システムを使ってビットコインのノード、ライトコインのノードまたはモネロのノードやタリノードなどにアクセスできるようになる」とスパグニ氏は言う。もちろん、一般的なライトニングネットワークにも接続可能だから他のライトニングノードを使って、タリを通じてアトミックスワップ(仮想通貨の取引)も可能になる。

 テリー氏とジェイン氏によれば、タリ・ラボズがタリ・ネットワークを開発しトークンを配布し始めるまでには少なく見積もっても2年はかかるという。この2年と言う期間はまずは実験として利用者からの感想を聞いてより良い物に仕上げるのに必要な期間だ。

 「タリ・ラボスは、今年中に初めてのトークンを実験として使ってみる予定だ。そしてそのフィードバックをモネロ使用者の住人から得たいと考えている。また我々はここでモネロを使えるレイヤースケーリング機能を開発したい」、とシャピロ氏は語る。

 ひとたび、レイヤースケーリングシステムが支持を得られれば、マイモネロにとってもコストの面で有利になる。その上、フィンテックの中心地であるサンフランシスコやニューヨークの外でもやっていけるだけの仕事が生まれる。

 次の非中央集権化の次の目標は、その組織やメディアで持っていると言われる個人の影響力を減らすことだ。この考え方は業界全体を強固にするだけではなく、失敗を防ぎ、業界全体を健全にするのに必要だと考えられている。

●マイモネロは上昇する
 ただし、モネロが他の仮想通貨に主導権を渡すという意味ではなし、我々も主導権が握れるように全力を尽くす事が我々一同の共通のゴールだ。シャピロ氏はマイモネロが投資家やアドバイザーに頼ることなく、仮想通貨のお財布のように一般のビジネスで使るようにするに事に挑戦しているという。しかし、問題はそれにかかる手数料の額だという。今の技術では手数料の額が利用者には高すぎるという。

 モネロ・ドット・ハウによると、モネロの使用者による手数料は数セントから2ドルまでかかるようで、モネロからビットコインに換えるような取引の場合にはさらに時間と手数料がかかる。その為、前述した時間もコストも短縮できるようなスケーリング・ソリューションが欠かせない技術となる。この新技術の実用化に向けて開発者と実業家の努力がすでに実を結びだしている。
 
 シャピロ氏はマイモネロのウォレット・アプリを始動、この利用者は推定で50万人程度いるようだ。またこの間にも新しいスタッフを雇い新しいオフィスをノースカロライナかテネシーに開く予定だ。マイモネロのアプリはすでにGithubで使える状況で、改良版のiOSはすでにアップルにより承認されて、すぐにリリースされる予定だ。

 次の予定としてシャピロ氏はホニグワッチと協力してマイモネロのウォレットから、直接モネロを購入できるようにする予定だ。またビットコイン・ウォレットに送金する場合、自動でモネロからビットコインに変換できるようにする。

 「我々は一般の人々がモネロを、アプリなどを通さずにクレジットカードなどで直接に売買できるようになる事を希望している。例えばコーヒーショップなどでモネロが足りないから、クレジットカードで手軽に買い足すような感じだ」とシャピロ氏は言う

 このような特徴は他の仮想通貨利用者がその仮想通貨だけを使おうとする動機を抑制して、モネロにも仮想通貨全体にも良い事だ、とシャピロ氏は言う。

シャピロ氏は、「つまり我々の任務は一般の人々にとっての使いやすさの改善だ」。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coindesk.com/startups-monero-community/

This story originally appeared on CoinDesk, the global leader in blockchain technology news and publisher of the Bitcoin Price Index.

ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
ビットコインキャッシュ詳細ページ
イーサ詳細ページ
ICOレーティングについて