仮想通貨「オタクコイン」、スタートは無償配布

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(写真は、左から、斉藤賢爾氏、小高奈皇光氏、数土直志氏)

 日本発のアニメ・漫画・ゲームなどのオタク文化に特化し、世界中のオタクをつなぐ仮想通貨「オタクコイン」プロジェクトがスタートした。オタクコイン準備員会(OCPC)が5月9日、東京・秋葉原で「オタクコイン構想発表会」を開催し、オタクコインの概要や今後の展望について説明した。「オタクコイン」はECR20 トークンで、イーサリアムブロックチェーンを利用して発行される。発行時に資金調達をするICOは行わず。今夏~秋に、AirDropやBounty Programを使って、オタク文化に関心の高い人たちに一部のコインを無償で配布することで流通させる。

 「オタクコイン」の構想は、日本アニメなどジャパンポップカルチャーを世界に発信しているTokyo Otaku Mode(米国オレゴン州ポートランド、亀井智英Chairman/小高奈皇光CEO、以下、TOM)が起案した。ブロックチェーン技術を使って、世界中のオタクファンとクリエイター、関連企業をつなげ、オタク文化の維持・発展につなげることを目的としている。TOMのメンバーが、OCPCの設立にも主体的に関わり、パートナー企業、専門家(アドバイザー)を募った。

 「オタクコイン」の特徴について、OCPCの小高奈皇光氏は「コミュニティ内コイン兼投票権」と説明した。オタク文化を愛するコミュニティの中で利用できるコインであり、かつ、コインを持っていることで、新たに制作する作品を選定する投票に参加することができる。オタクコインの保有者の投票によって制作が決まった作品のクリエイターには、オタクコインが無償で配分され、作品を制作する費用に活用できるようにする。

 「オタクコイン」は、今年夏~秋に設立するOCPCが発行する。総発行枚数は1,000億枚。初期に全ての枚数を発行し、追加発行は行わない。発行したコインのうち39%相当分はOCPCの運営費などに活用し、残る61%相当分のうち5%程度をオタク愛好家(かつ、コイン発行と同時に公開するオタクコイン専用のウォレットアプリをダウンロードした人)に無償で配布する。残る56%相当分については、オタク文化の発展につながるアニメ制作などのプロジェクトに資金提供する。

 無償で配布された「オタクコイン」は、TOMが提供するコンテンツの購入費用の一部として活用することができる(1コイン=1円など定額制を想定)。また、正規のルートでアニメを視聴、コンテンツのシェア、または、レビューの投稿などによって「オタクコイン」を入手できるような仕組みを整えていく。また、OCPCでは、オタクコインを受け入れるサービスの拡充に取り組むとともに、オタクコインを使ったクリエイター支援などの仕組みを作っていくなど、コインの流通網を広げていく計画。

 将来的には、「オタクコイン」の取引所での取引も視野に入れている。「当初は、コミュニティの参加メンバー通しの間での交換などから自然発生的に取引が始まるだろう。その状況によって取引所から取扱いの希望が出てくれば、その要望に応えていきたい」(小高氏)としている。

 OCPCのアドバイザーの一人である慶應義塾大学SFC研究所上席所員の斉藤賢爾氏は、「ICOは、ひと山当てたい人が、他の人々の『ひと山当てたい』という気持ちを利用してプロジェクトのためのリソースを獲得するモデルのひとつの形。ICOそのものが目的化しかねず、資金調達した後でプロジェクトが発展するケースが少ないという問題点を抱えている」とICOを疑問視している。「オタクコイン」がICOを見送った理由のひとつになっているようだ。

 「オタクコイン」は、「世界でファン数(FacebookページのLike数)2000万人」というTOMの利用者などをベースに、世界中に広く配布することを計画している。配布実施予定国の法律面/税務面など様々な観点からの確認を進めているため、発行時期が夏~秋と、幅を持たせた発表になっている。

 「アニメをひとつとっても、これまでの映像ソフトの販売、テレビ放映で収益化するという単純なモデルが、玩具、フィギュア、ライブ、音楽、イベントなど消費が多様化、グローバル化することによって、ビジネスが複雑化し、小さなスタジオでは対応できなくなっている。また、映像作品、グッズなどで海賊版の横行は深刻な問題となっており、作品のグローバル流通には、従来にはないモデルの構築が必要になっている」(OCPCのアドバイザーの一人で日本経済大学大学院エンターテイメントビジネス研究所特任教授の数土直志氏)と、オタク文化の抱える問題は小さくない。

 オタク文化を愛するコミュニティが、自分たちで応援したいアニメ・マンガ・ゲームを実現する仕組みづくりに、ブロックチェーンを活用する新たな取り組みによって、コンテンツ産業が抱える課題解決にもつなげたいとしている。

 OCPCの参画パートナーは、TOMの他に、アニメに特化したWEBニュースサイト「アニメ!アニメ!」、ICOコンサルティングの「AnyPay Inc.」、アニメ制作の「アスラフィルム」、漫画家集団の「フーモア」、デザインとアートの専門学校「東洋美術学校」、海外向けアニメ・漫画・ゲーム情報メディア「Honey's Anime」、ライトノベル投稿サイト「Honeyfeed」、オンラインキャラクターくじサービス「楽天コレクション」、アプリケーション開発の「bacoor」、アニメ制作の「バウンスィ」、イーサウォレットの「HB Wallet」、ブロックチェーンゲーム開発の「double jump」が5月9日までに参画している。


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