「ブロックチェーン業界のワードプレス」、スタートアップが法人用BCの弱点解決目指す

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 法人用ブロックチェーンを作ることは時に厄介だ。
 
 ブロックチェーンの技術はとても新しいため、それを支えているインフラの多くは確立されておらず、自動化もされていない。その結果、開発者はそれらを自分たちで作るのに時間がかかる。エレメンシャル(Elemential)の幹部はそのような悩みをよく理解している。その結果、彼らは自分たちの会社エレメンシャルで法人用ブロックチェーンを作るプロセスを簡素化しようとしている。
 
 そのために、インドのムンバイに拠点を置くエレメンシャルはブロックチェーンを管理・運営する際の「頭痛の種」を除くことを目指している。そのような悩みの種とはつまり、開発者がノードを建てること、コンフィグレーション、実行や言語依存を確かにしたりするといった管理活動などに毎週費やさなければならない多くの時間のことである。
 
 これらの悩みの種はすべて、エレメンシャルの幹部、CEO(最高経営責任者)のRaunaq Vaisoha氏、そしてCTO(最高技術責任者)のAnil Dukkipatty氏らが最初は「カラードコイン(colored coins)」(ビットコイン上の初期のプロトコル)を使って、そして後にハイパーレッジャーやテンダーミントなどの法人用ソリューションを使ってブロックチェーンに取り組んだ最初の三年間に実際に格闘したものだ。

 「ブロックチェーンに取り組み始めたとき、アプリケーションを作成しようとした際は毎回失敗しました」とVaisoha氏は昔を思い出して言う。

 「ブロックチェーン上でビジネス的な価値を作ろうとしている開発者として私たちは実際にリスクについて考えたり、プロトコルレベルで実際に自動化したりするといったことにあまりにも多くの時間を費やさなければなりませんでした」(同氏)

 しかし、たった一つの管理者といったものが存在しないため、ブロックチェーン上でこのようなプロセスを自動化することは厄介だ。そこで、エレメンシャルのチームはハドロンと呼ばれるノード(ネットワークの接合点や分岐点、ネットワークに接続されている機器などのこと)・レベルのソフトウェアとフェデレイティド・ネットワーク・プロトコル(Federated Network Protocol)(FNP)と呼ばれる管理・運営用コミュニケーションと意思決定のための分散プロトコルを組み立てた。

 「私たちが解決しようとしていることは大規模な法人用ネットワークにおける分散的な意思決定の組織化です」とVaisoha氏は言う。

 そして、合計で100万ドルをエレメンシャルに投資したマトリックス・パートナーズ、ライトスピード・インディア・パートナーズ、デジタル通貨グループなど(特に名前を挙げれば)を含めた著名な投資家たちによれば、そのようなエレメンシャルのプロジェクトはまさに彼らの業界が必要としていることであると言う。

●ブロックチェーンの「風紀委員」

 プライベートブロックチェーンの管理・運営は厄介な問題であることが分かっている。

 新しくメンバーを入れたり、メンバーを脱退させたりするといった多くの作業は協調的な方法で行われなければいけないからである。

 例えば、もし新たなメンバーを1人追加する必要がある場合は、そのネットワーク上の全員がその新メンバーのIPアドレスをホワイトリストに追加し、任意のポートを開き、ジェネシスファイルなどのコンフィグレーションファイルに変更を施さなければいけない、とVaisoha氏は言う。

 そのような場合、それらの作業を自動化した方がより効率的で信頼性がある。そして、FNPはまさにそれを行うために作られたのだ。

 「新たなネットワークメンバーの加入やメンバーの脱退、ネットワークトポロジー設計、ネットワークの拡張といった重要な決定を協調させるには中央権的ではなくフェデレーション化(認証連携)された意思決定の方法を必要とします」とVaisoha氏は言う。

 したがって、FNPはノードが正しく振舞うことを確実にするというように実質的には「風紀委員」のように働く、とVaisoha氏は続ける。例えば、もしバリデータ・ノードがクラッシュしそうになったら、いわゆる「予測的修正機能」が作動するといった具合だ。

 FNPは常にバリデータの数、そしてその状態を把握している。この把握により、ハドロンはネットワーク上の不具合を予測し、参加者がそのような不安定をを知らされ、それを直すよう指示されている間も、ネットワークを維持する一時的なバリデータを起動させることでそのような不具合を防ぐことができるのだ。

 このようにして、エレメンシャル(これまでにハイパーレッジャー・ファブリック、コーダ、テンダーミント、イーサリアムのプライべート・インスタンスのためのミドルウェアを作成した)を使用しているブロックチェーンは何か問題が発生した時でも作動し続けることができるのだ、とDukkipatty氏は言う。

 現在、エレメンシャルはインド国立証券取引所とプライベートブロックチェーン上のノウ・ユア・カスタマー(know‐your‐customer)(KYC)コンプライアンス構想に取り組んでいる。そのパイロットプロジェクトにはムンバイに拠点を構える仲介業者であるHDFC証券に加え、ICICI銀行、IDFC銀行、Kotak Mahindra銀行、Induslnd銀行、PBL銀行も参加している。

●さらに多くのことを可能に

 エレメンシャルのシステムは同一ネットワーク上のノードがお互いに意思疎通することを可能にするが、エレメンシャルはそれ以上のことを目指している。

 その1つとして、エレメンシャルはハイパーレッジャー・ファブリックを使用している1つの組織がハイパーレッジャー・ソウトゥースを使用している別の組織とつながることができるようにするためにプライベートブロックチェーン間で機能するソリューションを作りたいと考えている。

 そしてその後には、エレメンシャルはそれをパブリックブロックチェーンへと拡大することにも興味を抱いている。

 皮肉にも、パブリックブロックチェーンは通常、プライベートブロックチェーンよりも管理の余地が少ないと考えられているが、それは完全に開放的で、だれでもコンフィグレーションデータを得ることを可能にしているために、パブリックブロックチェーンの管理・運営を開発することはより簡単であるとVaisoha氏は言う。

 主な目標は、ブロックチェーン・ネットワークを管理することをリスクフリーにすることと、シームレスなワンクリック経験にすることだ、とDukkipatty氏は言う。

 これがエレメンシャルが自らを「ブロックチェーン業界のワードプレス」と呼ぶ所以だ。無料で簡単にサイトやブログを作成できるワードプレスが、ブログに対して行ったこと(ブログ作成の簡素化によりブログ利用者を2003年の4000万人から今日の10億人へと爆発的に増加させた)をエレメンシャルはブロックチェーン開発に対して行おうとしているのだ。

 Dukkipatty氏はこう締めくくる。

「プロトコルレベルでは多くのことが行われてきました。しかし、もうアプリケーションを作る時です。そして、私達には何がそれを妨げているのかが分かっています。」

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coindesk.com/wordpress-blockchain-startup-seeks-solve-enterprise-pain-points/

This story originally appeared on CoinDesk, the global leader in blockchain technology news and publisher of the Bitcoin Price Index

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