なぜ今、仮想通貨が注目されているのか?

 仮想通貨が注目される最たる理由は、単純明快、価格上昇率の大きさです(図表4・図表5参照)。値幅(騰落)が前日比で±30%以上変動することが頻繁にあり(他の金融資産ではマレ)、投機的といわれる理由の1つとなっています。価格変動リスクの大きな資産といえますが、ほとんどの仮想通貨は発行数量に上限が設けられており、大量発行で価値が下がる(価格下落)リスクは低く、希少価値があると考えられます。

 ビットコインの場合、2040年終了時の2,100万ビットコインという上限が設定されており、足元は約1,675万ビットコイン(発行上限の約80%)が現在、市場取引の対象となっています。残り20%近くはインターネット上に埋蔵されており、ブロックチェーン台帳に取引記録を追記処理する「採掘」にいち早く成功した事業者(マイナー)にビットコインが成功報酬としてもたらされ、発行数が増加するという流れになっています。

 発行上限のない例外的な通貨がイーサリアムです。元々は発行上限を設定していまいしたが、マイナーとイーサリアム所有者の利害調整などを目的に発行上限を撤廃、所有比率に応じて発言権を認める方式に変更されています。

 いずれにしても、希少価値を担保する仕組みとなっています。このため、早い段階で取得したほうが大きな値上がり益を得られるという先行者有利の心理が働き、仮想通貨市場を過熱化させている面もあるようです。

図表4:主要仮想通貨価格の年初来上昇率(対ドル)

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※ BCHはBTCとの分裂後の7月23日終値
※ 17年高値と終値はいずれもUSD

図表5:ビットコイン価格と出来高推移(対ドル)

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※ 出所:モーニングスター作成

 ビットコインを中心とする仮想通貨取引の現状は、株式や債券、為替、コモディティなどの市場に比べ、市場参加者が少なく、値上がり期待の投機的な売買に偏っているのが現状です。ただ、12月11日にはCboe(シカゴ・オプション取引所)、18日にはCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でビットコインの先物取引が開始され、機関投資家の参入が期待される他、決済や送金需要など実需からくる資金流入が、今後の市場流動性の向上につながることは間違いないでしょう。

 ビットコイン取引は対円での売買が大きな比率を占めていますが、国内においては17年4月1日に改正資金決済法が施行されたことも仮想通貨取引への追い風となっているようです。国際的な普及や国内の仮想通貨事業者の破たん事例などから、新しい制度が導入されることになりました。同法施行により仮想通貨が法定通貨に準ずる支払い手段と認められたといえ、決済や送金など実需が拡大する下地が整ったといえます。